ふたり輝くとき
朝食が終われば、天気が良い日は庭で、悪い日はリビングで遊ぶのが習慣。

今日はあいにく雨なので、リビングがマノンとディオンの庭になる。

マノンはユベールにベッタリで「えほん」とか「ぱちぱち」など、読み聞かせや光の呪文をねだってくる。

ディオンはそんな2人とは少し離れたところで絵を描いている。

「まのん、ぱちぱちする」

マノンはユベールの光を見て立ち上がり、両手を合わせて自分の光で遊び始めた。マノンもディオンも赤ん坊の頃から光を使えている。

呪文を教えるのはいつがいいのだろう――ユベールは最近、そんなことを考えている。

マーレ王国は水属性の国であるから、学校で光属性の呪文を学ぶことはできない。ユベールは2人の義務教育はルミエール王国で受けさせようかと思っているが、あの大嫌いな国に2人を預けるのも気が進まない。

(教育熱心って柄じゃないのに……)

真剣に、しかもまだ2歳の息子と娘の教育についてやたらと考える時間が増えたことに、ユベールは苦笑する。
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