ふたり輝くとき
ふと、ディオンの方を見ると描き終えた絵を見て満足そうにニッとしていた。

この笑顔はマノンと同じだ。

「ディオン、見せて」

ユベールが声を掛けると、ディオンはじっとユベールを見つめてから画用紙をユベールのもとに持ってくる。

ディオンを膝の上に座らせて一緒に絵を見る。

「へぇ……うまいね」

リビングで遊ぶときは必ずと言っていいほどお絵かきをしているディオンの絵は、2歳という年齢を考えると上手な部類に入る。

ユベールとサラ、その隣にマノンとディオンなのだと思われる。

全員が同じ大きさで書かれており、全体的にぐちゃっとした感じはあるが、それでも何が描かれているかはなんとなくわかる。

「で、これは誰?」

ディオンの隣に描かれているユベールの知らない人物。それを指差すと、マノンがユベールの膝と腕の間からにょきっと身体を滑り込ませてきた。

「あー!あかちゃん!」

マノンがキャーッと嬉しそうな声をあげ、光がパチッと弾けた。
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