ふたり輝くとき
「赤ちゃん!?」

一体誰の!?

「いもーと」
「らめ!おとーろ」

ディオンがポツリと呟くと、マノンがディオンの手からクレヨンを奪い取って“赤ちゃん”の頭についていたマノンとお揃いのリボンらしき髪飾りを塗りつぶしてしまった。

「ふぇっ」
「ちょっと!」
「うああぁぁああああん」

その瞬間、ディオンが泣き出してディオンの絵が破けて散った。

あぁ……ディオンは確かに自分の息子だ。

「もう!マノン、ディオンに謝って!」
「うぇっ、あぁあああん!」

なぜ……2人とも泣くのだ!?

ユベールの膝の上でその身体の回りにパチパチと光を散らしながら泣き喚く2人。

「ユベール様、どうしたんですか?」

泣き声を聞いたサラがキッチンから出てくる。

「ままー、ひっく……ぱぱ、うぇっ、おこる」

マノンが泣きながら駆けていき、サラにしがみつく。ディオンも泣きながら、しかし、いつもとは違ってユベールにガバッと抱きついてきた。
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