ふたり輝くとき
ボスッとベッドに突っ伏したユベールを見て、クロヴィスはもう1度ため息をついた。

この王子は、平気で人を傷つけたり常に損得勘定で動いたり、いろいろなことを考えているくせに疎いところがある。

今も、こんなにイライラしているというのに……その原因に気づいていない。いや、きっとクロヴィスのせいだと思っているのだろう。

クロヴィスには、手に取るようにユベールの心の中がわかるというのに。

(これも、成長過程のうち……でしょうか)

とにかく、サラを奪われるわけには行かないのだ。この王子のために。そして、サラのために。

「サラ様のことは、できる限り私がお守りしましょう。それでよろしいですね?」

ユベールは答えなかったけれど、クロヴィスはそれを肯定と受け取って部屋を出た。

「全く、世話の焼ける王子様ですね」

その呟きは、廊下の闇に溶けていった――
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