ふたり輝くとき
それからも侍女たちの嫌がらせは毎日続いて、サラの気持ちも比例するように沈んでいった。

もう、2週間近くなるだろうか。そして、今日も。

「うっ、けほっ……」

サラは、飲んだスープの味に思わず咳き込んだ。

辛い……

とてつもない量の塩が入っている。

それを近くで見ていた侍女がクスクスと笑っているのに気づいたけれど、サラはグッと膝の上で拳を握って耐えた。

クロヴィスはなるべくサラのそばにいてくれるけれど、彼も側近としての仕事がある。そのために席を外せば、この有り様だ。

「サラ様、食欲がないのですか?もう片付けないといけない時間なのですけれど……」

食事が出てきてからまだ10分も経っていないのに。

「ごめんなさい。朝は苦手で……下げてくださって結構です」

どちらにせよ、こんなに辛いスープは飲めないし、きっと他のお皿に乗った見た目だけは綺麗な料理たちも……

サラは侍女にもう1度謝って席を立った。

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