十騎士
そう言うと、彼女はパチンと指を鳴らす。
すると、今まで閉まっていた石扉がゆっくりと開き、中に頑丈な檻が現れる。
その中には、大量に捕獲された魔物たちが入れられていた。
「お・・・・・・多くないですか・・・?」
不満げにミリアを見つめながらチカが言う。
「そんなことはない、任務などに出ればこれ以上の魔物が現れる。こんなの序の口だ・・・。さて、今まで教えたことを生かしながら存分に戦え!それでは・・・始め!!」
叫んだと同時に再び指を鳴らすと、檻が勢いよく地を蹴り魔物たちがいっせいに飛び出してくる。
それと同時に、チカとコウも勢いよく地を蹴り魔物たちの方へ向かっていく。
「うがああああああぁぁぁぁ!!」
数々の魔物が牙を向き、爪を立て襲いかかる。
だが、二人に恐れている様子はなかった。
むしろ笑みさえ浮かべていたのだ。
二人のその余裕は、まさにお互いを信じているからこそ、生まれてくるものだった。
「コウ、いつものいくよ!」
「わかった!」
一言そう言い合うと、二人は走る足を止めずに魔物たちの周りを取り囲むようにして、二手に分かれた。
チカは思いっきりジャンプすると、そのまま空中に舞い、剣が輝きだし振り下ろされる。
「クロス・サンダぁぁぁあ!」