A spring blue wind
私には、付き合って半年の彼氏がいる。
他校のひとつ上の先輩。
たまたま、友達に誘われて人数合わせで合コンに行ったとき、五人いた男の子たちのなかでも特に輝いていた陽に私は一目惚れ。
染めたことがないであろう、綺麗な黒の髪をワックスで暴れさせて、鎖骨の見える黒にロゴの入った服が妙に色気を放ち、目が合ったときのあのどきどきは、今でも覚えている。
元々、消極的な私は、話すどころか、メアドも交換出来ず、そのまま終わるのかと思ったとき、帰り際で陽が私を呼び止めてくれた。
「夕夏ちゃん!メアドだけでも交換して欲しい。駄目かな?」
私より五センチは高そうな陽は、とてもかっこよくて、最後の言葉がとても可愛く見えた。
「あ、うん」
緊張のあまり、素っ気なく返事をしてしまったのに、陽はとても可愛く「やったー!」て喜んだ。
私たちが付き合うのにそんなに時間は掛からなかった。
その一週間後にデートに誘われて、三回目で告白され、今に至る。