A spring blue wind
「ま~たそんなに持って……。
陽は一度に済ませようとしすぎ!」
呆れた言い方だけど、内心、そんな一面も可愛いと思っている私。
くわえてたお菓子を受け取り、ガラスの二人ほど座れる机の上に置いた。
「サンキュ」
陽も、口を塞いでいた物が無くなり、グラスを同じ場所に置いてベッドにもたれ掛かるように座った。
普通に会話出来てる自分に驚きながらも、少しホッとし、陽の隣に座り、ベッドに背中を預ける。
暫し、お互いなにも話さず、私もまた緊張してきて陽の顔を見れなかったが、陽の「……でもさ…」の言葉で自然と、整った横顔を見ることになった。
「こんな俺でもきちんと受け止めてくれる夕夏がいてくれて、ほんと、幸せだな~、俺は」
「急にどうしたの(笑)」
「今更だけど、誕生日おめでとう、夕夏。
──好きだよ、愛してる」
普段は好きとか愛してるとか言いたがらない陽が、顔だけをこちらに向けて、その整った唇を動かして出てきた台詞に、私は徐々に赤面となり、言葉を詰まらした。
「ばっ……!」
「赤くなってる(笑)可愛い可愛い。
もっと可愛くさせたい……って思う俺は
馬鹿かな……?」
今日はいつもより意地悪な陽。
「わ、私も、カッコいい陽を
もっと見たいし、
……独り占めしたい」
自分で言っておきながら、なんて恥ずかしい台詞なんだろう。