A spring blue wind

「ん?何?
……もっと?」


こんな陽、初めてだ。


「うう……、バカ」


バカと言いながらも、新たな陽の一面を知れて、嬉しくて仕方がない。


陽の唇が私の耳に触れた。


ぺろりと舐められ、「ひゃっ!?」と声を出してしまう。


「夕夏……」


ぞわりと痺れさせる陽の声。


陽の顔が少し離れて、互いの額を合わせた。


「陽……」


好き。


「……なに?」


好きとか、そんな言葉では表せないくらい、貴方が愛しい。


言葉じゃ足りないくらい、貴方を愛してる。


言葉に出来ないから、自分から深いキスをした。


私からしたことに若干驚いた陽だけど、すぐにふっと笑い、「マジお前、可愛すぎ」と言いながら、私を軽々と抱き上げて、ベッドの上に置いた。


仰向けになる私の上を陽が上から覆い被さり、にやりと笑った。


「俺がプレゼントってことで、
今日は寝かせねぇから。
覚悟しとけよ?」


「覚悟するのは陽の方かもよ?」


「ははっ、お手並み拝見だな」



end
< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop