A spring blue wind
「ん?何?
……もっと?」
こんな陽、初めてだ。
「うう……、バカ」
バカと言いながらも、新たな陽の一面を知れて、嬉しくて仕方がない。
陽の唇が私の耳に触れた。
ぺろりと舐められ、「ひゃっ!?」と声を出してしまう。
「夕夏……」
ぞわりと痺れさせる陽の声。
陽の顔が少し離れて、互いの額を合わせた。
「陽……」
好き。
「……なに?」
好きとか、そんな言葉では表せないくらい、貴方が愛しい。
言葉じゃ足りないくらい、貴方を愛してる。
言葉に出来ないから、自分から深いキスをした。
私からしたことに若干驚いた陽だけど、すぐにふっと笑い、「マジお前、可愛すぎ」と言いながら、私を軽々と抱き上げて、ベッドの上に置いた。
仰向けになる私の上を陽が上から覆い被さり、にやりと笑った。
「俺がプレゼントってことで、
今日は寝かせねぇから。
覚悟しとけよ?」
「覚悟するのは陽の方かもよ?」
「ははっ、お手並み拝見だな」
end