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「ほら、この水滴。」
少女は空中に浮かぶ水滴に触れながらそう呟く。
少女は続けた。
「夕方に降った雨が電線について、それが落ちる瞬間よ。時間が止まってこうなってる。」
くすくすと笑う少女。何が楽しいんだろうか。
そして何が目的なのだろうか?
「貴方に、来て欲しい。」
少女は真剣な表情になって、芽維を真っ直ぐに見つめ、そう言った。
まるで、ファンタジーもののマンガの中に落ちたみたいだった。
少女はすうっと白い手を芽維に差し伸べる。
芽維は、無意識に自然とその手をとっていた。
白い光が芽維と少女の二人を包み込み、空気のうずに吸い込まれた。
そこからの記憶はないのだが、気がつくとそこは昼間で、例えるなら中世の町並みだった。