幼なじみをやめるまで
私の軽い睨みも全く関係ない様子で、ケタケタ笑い続けている。


ーーどうやら一筋縄ではいかないらしい。



そんな加奈子が、急に真面目な顔に変わった。



その豹変ぶりに、私が戸惑っていると、



「こんにちは、入部希望の広瀬加奈子です」


キビキビと頭を下げる加奈子の視線の先には、制服を着た3年生が立っていた。



「こんにちは。他の子達も集まってるから、中へどうぞ」


「ありがとうございます」


90度に腰を折ってお辞儀をする加奈子の横で、とりあえず私も頭を下げる。

私たちの前をゆっくりと通りすぎる3年生。


< 75 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop