幼なじみをやめるまで
パタンとドアが閉まる音がすると、加奈子はぱっと頭を上げた。


「びっくりしたぁ。まさか、初日から早瀬先輩に会えるなんて思わなかった。ラッキーだね」


「早瀬先輩って?」


「えっ!咲知らないの?知らずにココ来たの?マジでぇ?信じらんない!

早瀬先輩って、高校女子バスケ界では有名人だよ?去年のインハイだって、早瀬先輩の一人舞台だったんだよ」


バシバシと私の肩を叩きながら興奮する加奈子。

「そうなんだ……知らなかった…」

「まったくもぅ!」とプーっと頬を膨らませながら加奈子がドアを開けた。


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