幼なじみをやめるまで
マグカップを二つもった千裕が部屋に入ってきた。


「熱いから気をつけろよ」

「うん、ありがと。……あちっ」


「プッ。だから言っただろ?『気をつけろ』って」



コツンと頭を小突きながら、私の手からマグカップを取りテーブルに置く。
すばやく傍にあったティッシュを渡してくれる。



「ありがとう」

スカートに少しだけ零れたココアを拭いていると、突然正面に座り、私の顔を真正面から見つめる千裕



「咲?何があった?」
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