君と、世界の果てで
「……うまく言えねぇ。出直すわ」
「えっ、待っ……」
「悪い」
紗江の顔を見ないようにして、俺は喫茶店を後にした。
自分でも、よくわからない。
なんなんだ、俺は?
何のために、紗江の機嫌をとらなきゃならないんだ?
何のために、好きでもない服を着なきゃならない?
何のために、禁煙しなきゃならない?
路上にも関わらず、煙草に火をつけて、深く吸い込む。
煙を吐くときに、胸のモヤモヤも一緒に吐き出せたら良いのに。
あぁ。
ベースが弾きてえなぁ。