君と、世界の果てで
「ストーカー!?」
何とか落ち着いた深音を、ソファに座らせて、話を聞くと。
何と、ストーカーに襲われそうになったと言うのだ。
「そんなの、いたのか……」
なるほど。
陸が最後まで心配するわけだ。
「玄関を開けた瞬間に、声をかけられて……必死で追い出したんです」
「前から、ストーキングされてたのか?」
「はい……何人か、いるんですけど。
彼は、陸が亡くなってから……」
「な、何人か?」
「あれほどひどい人はいませんけど」
「警察は?」
「警察は、あたしが殺されでもしなきゃ、動いてくれませんから」
深音は冷静に言った。
まぁ、確かにな。
でも、本当にそういう人種っているんだな……
「そうか……怖かったな」
妹みたいな彼女の頭を、ぽんぽんと撫でてやる。
すると深音は、頼りなげに笑った。
「良かった……翼さんが来てくれて……」
うっ。
上目遣いは、やめろ。