君と、世界の果てで
深音の服は、舞台じゃなくても、いつも十分派手だと思う。
装飾過剰で、必ずフリルかリボンが付いている。
いわゆるホワイトロリータというほど甘くはなく、ゴスロリほど暗くもないが。
スカートはパニエが仕込まれて膨らんでいるし、
足元はほとんど、初めてライブで見た時の、高いソールの靴だ。
「前の衣装を否定するわけじゃない。
インパクトがあるし、何よりバンドのイメージと合ってるし、良いと思う。
ただ……」
「ただ?」
深音が聞き返す。
「……冬は寒そうだ」
崇文が、わははと笑った。
「た、確かに……」
「もう!」
深音が膨れっ面をする。
……可愛いなぁ、オイ。
いかん、完全に妹化してる。