君と、世界の果てで


……結局、近くのファミレスで昼食をとる事になった。


今日の深音は、腰のあたりがギュッと絞られたコートを着ていた。


それを脱ぐと、白い丸襟シャツの上にピンクのカーディガンが見えた。


黒のプリーツスカートの下は、網タイツに、いつもの靴。


……シンプルでも、目立つ。



「ん?」


「どうしました?」


「いや、あいつらに、指差されたような気がした……感じワリイな」


「気にしない、気にしない」



あいつら、というのは、若い女性客のグループだ。


同い年くらいか。


深音は、初めてだとハッとするくらい、綺麗だから。


男性客にも、女性客にも、チラチラ見られている。


本人は、もう慣れてるのだろう。


同じく美形だった陸も、周りは気にしないようにしてたもんな。


……お似合いだっただろうに……


クソ、面白くねぇ。


弟に、少し嫉妬するなんて。


< 123 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop