君と、世界の果てで
……結局、近くのファミレスで昼食をとる事になった。
今日の深音は、腰のあたりがギュッと絞られたコートを着ていた。
それを脱ぐと、白い丸襟シャツの上にピンクのカーディガンが見えた。
黒のプリーツスカートの下は、網タイツに、いつもの靴。
……シンプルでも、目立つ。
「ん?」
「どうしました?」
「いや、あいつらに、指差されたような気がした……感じワリイな」
「気にしない、気にしない」
あいつら、というのは、若い女性客のグループだ。
同い年くらいか。
深音は、初めてだとハッとするくらい、綺麗だから。
男性客にも、女性客にも、チラチラ見られている。
本人は、もう慣れてるのだろう。
同じく美形だった陸も、周りは気にしないようにしてたもんな。
……お似合いだっただろうに……
クソ、面白くねぇ。
弟に、少し嫉妬するなんて。