君と、世界の果てで
認めたくはないけど。
俺は多分、陸に嫉妬している。
顔が飛び抜けて良かったからとか、そういう事じゃなく。
死から2ヶ月たった今でも。
こんなにも、誰かの中に、しっかり残っている。
誰かに、こんなにも愛されている。
真珠のような涙を、惜しげもなく流させている。
そんな事実に、嫉妬しているのだ。
自分は、紗江のどこが好きだったか、もうわからない。
紗江は、俺が死んだら、1ヶ月で忘れそうだな。
そう思うと、すげえな。
こんなに、一途に想えたり、想われるなんて。
あぁ。
自分に足りないものを見せつけられて、イライラするなんて。
本当に心が狭いな、俺は。
「はぁ……すみましぇん」
鼻をすすって、今度は小物入れを開ける。
指輪やネックレスやピアスを1つずつ出しては、またメソメソ。
「もう、その辺も全部やるから」
「うぅ……ダメですね、こんなんじゃ」