君と、世界の果てで
わかってんじゃねぇか。
嫉妬からか、ちょっとしたイタズラ心が生まれた。
「これもいるか?」
俺は、陸のリングをした右手を突きだした。
「それは……いいです。翼さんがしてくれた方が、陸も喜び……」
深音の言葉の途中、突きだした右手で。
彼女を、自分の胸に引き寄せた。
「あっ、あのっ、翼さん!?」
ふわりと、いつもの甘い香りがする。
「泣ききってから、続きをやれ。
そんなんじゃ、いつまでたっても終わんねぇ」
「ふぁ、あのっ……苦しっ……」
この前驚かされた、仕返しだ。
……に、しても。
本当に細えなぁ。
のわりに、胸は大きいんだよな。
トクトクと、その大きさのわりに、控えめな鼓動が伝わってきた。
やべ。
恥ずかしくなってきた。
やっぱりこういうのは、陸の専売特許だ。
「ビックリしたか?」
体を離すと、深音は、真っ赤な顔でぷはぁ、と息をついた。