君と、世界の果てで
「もう!翼さん!」
「悪い悪い。でも、涙は止まっただろ」
「心臓まで止まるとこでしたよ!」
深音はプリプリしながら、さっさと片付けを再開した。
「効果あったじゃないか」
「知りません!」
深音の照れた様子が可愛らしくて、思わず笑ってしまった。
陸、悪い。
少しだけ、独占したいと思っちまった。
お前の、歌姫を。
妹みたいな、彼女を。
手の平で、包んでおけたらいいのに。
そんな事、できるわけないのにな。
…………って、え?
俺、何考えてんだ?