君と、世界の果てで
「あたしね、クォーターなんです」
「は?何だ、いきなり」
そうなのか。
だから、こんなに目鼻立ちがハッキリしてるのか。
「昔から、自分の意思とは関係なく、目立っちゃって」
「だろうな」
「小さい頃から、学芸会では、いつも主役でした」
思わず想像して、笑ってしまった。
小さな深音が、白雪姫なんかやったら、似合いすぎだろう。
「まぁ、そうなると……自然、他の女子から、風当たりが強くなるわけです」
「……」
そうか。
確かに、自分の高校時代にも、そんな奴いたな。
何もしてないのに、やたら目立って、いじめの標的にされる。そんな奴。
「陸には、高3の時に出会ったんです。
陸のバイト先の、レコード店で」
「そういや、バイトしてたな」
「陸は、あたしの見た目より、声を褒めてくれた」
「…………」
先日めそめそ泣いていた瞳は、今は強く前を向いていた。