君と、世界の果てで
「じゃ、打ち上げはまた今度で!
お疲れっした!」
崇文の元気な声で、無事解散になる。
さぁ、紗江に見つからないうちに帰ろう。
「深音、行くか」
「あ、はいっ」
「さみいなぁ。駐車場まで、ちと歩くぞ」
駅前のコインパーキングまで、歩いて10分くらいだろうか。
スーツの上にコートを着て。
深音の歩幅に合わせて、ゆっくりと歩いた。
「わぁ、綺麗……」
駅前に出ると、深音が歓声をあげた。
大きな白いクリスマスツリーに、ピンクや紫のオーナメントがついたそれは、金色の電球までつけ、キラキラと輝いている。
駅ビルの壁面には、シンデレラに出てくるような城と馬車が、電球で細かく描かれていた。
最近は海辺の家にいたので、ライトアップされた駅を見たのは、今年初めてだった。
「おぉ。スゲエな。電気代、1日何万かかってんだろうな」
「もう……そういう事、言わないの。
やだなぁ、大人は」