君と、世界の果てで
俺を見上げる深音の金髪に、光が反射し、七色に光る。
……どんなイルミネーションより、綺麗だ。
見とれてしまっていたら、突然深音が口を開いた。
「あたし、めそめそするのは、今日で終わりにします」
「えっ?あ、あぁ……無理すんなよ……」
「大丈夫です。
陸も、心配してるだろうし」
「そうか……って、オイ!」
気づけば、先ほどの控え室と同ように、手を握られていた。
その指先の冷たさに、驚く。
そういやさっきは、グローブしてたもんな。
しかし、その指の細さに胸が高鳴ってしまい、すぐに冷たさは気にならなくなった。
「クリスマスプレゼント、下さい」
「はぁ?」
「この指が、ほしい」
俺を見上げる深音の瞳はイルミネーションを反射し、直視できないほど眩しく輝いた。
「これからも、翼さんのベースで、歌いたいから」
「…………」
「他のベーシスト、探さないでも、良い?」
お願い、と微笑む。