君と、世界の果てで
漫画喫茶で適当に昼飯を注文してから、ぼんやり本棚をながめた。
せっかく来たんだから、何か読もうかと思ったのだ。
陸は漫画が好きだったな。
……お、懐かしい。
陸とかわりばんこで読んだ覚えのある、エロ漫画に手を伸ばした時。
「……そういうの、好きなんすかぁ?」
「ぬお!?」
ばぁ、と崇文が本棚の影から顔をのぞかせた。
「翼さんは硬派だと思ってたのになぁ」
「何だそりゃ。俺だって、人並みにエロいんだ」
「そういえば、深音の胸を舐めるように見てますもんねぇ」
「ばっ、そんなに見てねぇよ!!」
思わず怒鳴ってしまって。
いくつかの個室から頭がのぞき、責めるような視線が集まった。
崇文の首根っこをつかみ、そそくさと自分の個室に戻る。
アホか!深音の胸とか言うからだ!
苦しがる崇文が、冗談じゃないですかぁ、と泣いた。