君と、世界の果てで
正直、ストーカー男の事が気になって、それどころじゃないが。
何とか、普通にしゃべろうとした。
すると深音が、不意に口を開いた。
「曲はどうするの?
前と同じ?」
「いや……『WORLDS END』以外は、少し変えた方がいいだろ」
渚が答えた。
そうだな。毎回同じじゃすぐに飽きられちまう。
「新曲……どう?崇文」
「う……ごめん、まだ……」
「じゃあ、持ち歌の中で、選ぶしかないな」
渚が、今までのバンドの曲のリストを取り出す。
「深音ちゃんは、カバーはやりたくないんだよね?」
「カバーというか……コピーは嫌です。
原曲そのままなら、やる必要ない。
WORLDS ENDならではにアレンジされた、カバーなら良いけど……」
「はぁ、なるほど」
渚が、苦笑した。
「あっ、翼さん」
「うん?」
「あれなら、いい」
「あれって……どれ?」
「あの、この前ギターで弾いてくれた曲」