君と、世界の果てで
「一緒にいて……」
消えそうな声で言われ、その細い体をきつく押し付けられた。
「大丈夫だ、落ち着くまでは、一緒にいるから」
「いや……ずっと、そばにいて」
参ったな……。
深音は自分が言っていることがわかっているのだろうか。
それに混乱してるとはいえ、もう22時になってしまう。
「……家に連絡しろ」
「いや!」
「深音」
無理に体を離し、顔を見つめる。
その顔は、涙でぐちゃぐちゃだった。
「少しは、警戒しろ。
お前は……綺麗なんだから。
俺だって、男なんだから」
「翼さん……」
「俺だって、そばにいてやりたいけど……
ご両親だって、きっと、心配してる」
少しずつ、深音の呼吸の音が整いはじめた。
「……あの人、おかしいんです……」
「あぁ。目が、イッてた。
あんなやつの言うこと、気にしてねぇから。
見捨てたりしないから」
これは、半分嘘だった。
実は、ものすごく気にしている。