君と、世界の果てで
「まだ2時だな」
「じゃあ、あっちのアウトレット見に行って良いですか?」
「おう。行ってみるか」
アウトレットまでは、歩いて5分だ。
水族館と違い、ワイワイとした賑わいに包まれている。
「人多いな……」
「なんか、生臭いですね……」
「おさかな市場だと。あっち、行くか」
海でとれた鮮魚や、えびせんべいなんかを扱う店はスルーして、服や雑貨のコーナーに移動した。
ぷらぷらと、あれが可愛い、これが可愛いと、店をのぞいていく。
「翼さんは、背が高いから何でも似合いますね」
「そうか?」
「はい。あたしは、パンクの方が好きですけど。
クリスマスのスーツも、似合ってました」
「お前は、そういうのが好きなんだな」
気づけば、深音の鞄や小物には、いつも同じブランドのマークが付いている。
そのブランドは、元々パンクファッションの先駆けになったブランドだから、俺もよく知っていた。