君と、世界の果てで
水滴の付いた細い肩から腕がのぞく。
「何だ!?」
「あの、タオルを、貸してもらえませんか?」
「お、おう!!」
そういえば渡し忘れていた。
急いでバスタオルをとってきて、深音に渡す。
「ありがとうございま……」
バタン!!
言葉の途中で、ドアを閉めてやった。
あああああアホか!!
隙間から見えるかと思った!!
乱れた息を整え、今度こそキッチンへ向かう。
乱暴に野菜を洗っていると、風呂場のドアが閉まる音がした。
「ありがとうございました。翼さんは?」
「あ、じゃあ、ささっと入るかな……」
深音は、朝のモコモコした白いワンピースを着ていた。
ご丁寧に、レッグウォーマーまで持ってきてたのか。
「……お前それ、スッピンか?」
「やだ、あんまり見ないでください。
崩れちゃったから、落としちゃいました。
今、直しますから」