君と、世界の果てで
「お前の歌姫だよ」
「あぁ……ミオね。
うん、仲良くしてるよ」
「どこで拾ったんだよ、あんな美少女」
何の気なしに聞いた言葉に、陸は鋭く反応する。
そのイタズラな猫目をキラキラと光らせた。
「何?兄貴、ミオが気になるわけ?
紗江ちゃんに言いつけるよ?」
「な、アホか!
ただ、弟の彼女だから、興味があるだけだ!」
あぁ、もう、こいつは。
本気で心配して、損した。
いつもこうだ。
周りを心配させては、本人はすぐ何でもない顔をして、冗談ばかり言ってる。
いい加減、慣れなきゃな。
この、イタズラ小僧な弟に。