君と、世界の果てで
(1)告白
「…………」
聞き間違えるはずはない。
彼女は、はっきりと言ったのだ。
『あたしは、陸の彼女なんかじゃなかった』
と。
あまりの事に、言葉が出ない。
今まで、陸の彼女だったと信じて、疑った事などなかったのに。
ベッドの縁に座る俺の前で、立ったままの深音が口を開いた。
「あたし達は、親友でした」
「親友……?」
「だから、体の関係も、キスさえ、した事はありません」
「嘘だろ……じゃあ、どうして……」
どうして陸も深音も、そんな嘘をついてたんだ?
崇文だって、二人は付き合っていたと、思っているようだったのに。
「あたし達は、高3で出会って、友達になりました。
陸には、それ以前から、好きな人が、いました」
「好きな人?」
「誰かは、知りません。
でも、陸はその人がとても好きなようでした。
だけど、どうやっても結ばれる事はないのだと、言っていました」