君と、世界の果てで
「あの写真の衣装も、ライブの衣装も、あたしが決めたんです。
アイドルでもないのに、そういう目で見る人がいるなんて、思わなかったから……
でも、陸は責任を感じて、矢面に立ってくれたんです。
まちぶせしてたストーカーに、俺の女に手を出すな、と脅しました。
それで、ほとんど被害はなくなりました」
深音の目に、再び涙が浮かぶ。
「女の子のファンが離れるのも嫌がらずに、
俺達付き合ってますって、ホームページに書きこんでくれたりしました。
陸の好きな人が、それを見るかもしれないのに」
ぽたり、と涙が、俺の膝に落ちた。
ああ、そうだよな、陸。
お前は、親友が悲しむのを放っておける奴じゃなかったよな。
しかも、自分が犠牲になったなんて、全然考えてないんだよな。
お前は最後まで、彼女を心配してたんだから。
悪い。
お前を、見くびってたよ。