君と、世界の果てで


「智は何で、お前を人殺しなんて言ったんだ?」


「それは……」



深音の瞳が、揺らめいた。


悲しみを孕んだ声で、ぽつりと呟く。



「……あなたと同じように、最後に陸と一緒にいたあたしを、怪しいと思ってるから……」



ギクリとした。


そこまで、見透かされていたのか。



「それは……最初だけだ。今は、そんな事……」


「わかってます」



悲しい声のまま微笑まれて、何も言えなくなってしまう。



「とにかく、彼は、あたしを殺人犯だと決めつけ、そう思い込んでいるんです」



深音は、ふうと息をついた。



「昨日は、本当に、怖かった……殺されると思った」


「……」


「だから。

今度いつ、何があるかわからないから。

本当の事を言っておきたかったんです」



何があるかわからない。


俺の母親と、同じ事を言っただけなのに。


どうして。


こんなに、苦しいんだろう。


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