君と、世界の果てで
「……お前は、死にゃしねぇよ……」
「そんなの、わからない。
陸も、水族館のシャチも、突然死んじゃったじゃない」
深音は、まっすぐ俺を見つめた。
その迫力に、動けなくなる。
ほのかな甘い香りに、拘束される。
美しい唇が、ゆっくりと開いた。
「だから、もう1つ、秘密を聞いて」
目がそらせない。
何か、とてつもない事が起こる予感がするのに。
緊張する俺を、深音は相変わらずまっすぐ見つめ、何かを決心するように、瞼を閉じる。
そして、歌声と同じ透き通った声が、耳に響いた。
「あなたが、好きです」