君と、世界の果てで
深音はさっき自分でかけたシャツのボタンを、ゆっくりはずしていく。
その白い指に、自制心の鎖までもが解かれていくような感覚に陥った。
「……無理だったら言えよ……
止める自信は、ねぇけどな……」
深音は、何故か嬉しそうにうなずいた。
言葉の裏の、彼女を愛しいと思う気持ちをのぞかれたのだろうか。
とにかく、夜は誰にも止められなくて。
俺は、深音を。
できる限り優しく、抱いた。
したたる汗が、どれだけベッドを汚そうが。
この背中を爪でえぐられ、血を流そうが。
そんなのは何も、関係ない。
この夜の全てが、かけがえのない愛しさに繋がっていくように思えた。