君と、世界の果てで
クリスマスライブ以来、少しずつだが、古いファンからの応援のコメントが更新されているというのは、前に聞いた。
しかし、画面に現れた一番最新の書き込みは、そんな穏やかなものではなかった。
『ボーカルとベースはデキている
恋人を裏切った二人に、罰を与えん』
「……んだ、こりゃ」
その書き込みには、まだ先があった。
『今度のライブは、楽しみにしている
最後の夜だ
せいぜい楽しめ』
「読みましたね?じゃあ、削除しますよ」
「プリントアウトは」
「あ……今します」
崇文は、慣れた手つきで画面をプリントすると、すぐに悪意の書き込みを削除した。
「……智か」
「その可能性が、高いですね」
苛立った崇文は、注文したコーラをガブガブ飲んで、息をはいた。
「あの……1つ、聞いていいッスか?」