君と、世界の果てで
「とにかく、楽しそうな感じじゃなかったのが、気になって……
今日見たら、こんなの書き込まれてるし」
「まさか、二人で共謀して何か企んでるとでも言うのか?」
「わかんないっすよ。
でも、これ。
“恋人を裏切った二人に”って……
深音が陸を裏切ったってだけじゃなく、翼さんと紗江さんのこともからんでる気がしませんか?」
確かに、どちらとも取れる文章だ。
意外と頭は悪くないんだな、崇文は。
って、そんな事を考えている暇はない。
「ライブ……辞退するしかないかな……」
「いや……ただのイタズラかもしれないし」
「俺、イヤですよ。
深音や翼さんが、危ない目にあうの」
真剣に見つめられ、一瞬何も言えなくなる。
「……いくらなんでも、ライブ中には何もできないだろ。
それに、今から穴埋めてくれるバンド見つかるか?」
「それは……まだ探してないから、わからないけど」
崇文は、悔しそうに唇を噛んだ。