君と、世界の果てで
(3)不親切な警告
「まぁ、堺沢さん。
夕飯まだだったら、召し上がっていかれたら?」
深音の家に着いたら、また彼女の母親が出迎えてくれた。
「いえ、すみません、夜分遅くに。
すぐ、おいとましますので」
事前に連絡しておいたので、深音は大人しく家で待っていた。
夜に出歩かせたくなかったとはいえ、いきなり彼女の家に押しかけるには、少し勇気がいった。
「翼さん、今日はパパもいるんだけど……」
恥ずかしそうに言う深音の後ろから、にょきっと人影が現れた。
「どうも、深音のパパでーす」
小太りの、普通のおっさん。
それが、第一印象だった。
しかも陽気なおっさんだ。
丸い顔で、ニコニコと笑っている。
「あ、挨拶が遅れてすみません……」
「いいの、いいの。
娘が世話になってるそうで、すまんねぇ」
「いえ、こちらこそ……」
「ゆっくりしてってねー」