君と、世界の果てで
「……悪い話なんだが」
「え……何?」
ベッドの脇に向かい合って座り、崇文の話をかいつまんで話した。
「ライブ、どうする?他のバンドに頼むか?」
「やだ。やる」
「そう言うと思った……」
「だって、それだけじゃ、ただのイタズラと言えない事もないでしょ?」
なるべく明るく言おうとしているのだろうけど、顔には明らかに不安が漂っている。
無理もない。
男の俺でも、例の書き込みは気持ち悪いし、軽く恐怖も覚える。
「前日は、うちに泊まりだから良いとして。
なるべく、一人にならないように」
「はい」
こくりと、深音はうなずいた。
「……んな、不安そうな顔するな。
自分でやるっつったんだから」
「うん……」
「俺がいるから、な?」
深音は、風呂あがりの化粧を落とした顔で、俺を見上げた。
「守ってね、王子様」
「護衛の間違いだろ」
「王子様だよ」