君と、世界の果てで
「それが、貴方をズタズタにするのよ。
他の人が、何を企んでるか、知らないけど。
誰より貴方を傷つけるのは、あの子だわ」
紗江は吐き捨てるように言うと、気が変わったら連絡して、と言って、逃げるように帰っていった。
「……意味がわかんねぇにも、ほどがあるだろ……」
頭痛がする。
煙草を吸いたくて、足早に車に戻った。
紗江の言葉が、ただの嫉妬から来るのだとは思えない。
あいつは、何かを知っている。
そして、智との関係が知られるのを、恐れてる。
何をしようとしてる?
俺を、いや、それより深音を。
どうしようというんだ。
「……クソ!」
俺は、力任せにハンドルを殴りつけた。