君と、世界の果てで


4人そろって外へ出ると、わぁっと歓声が上がった。



「え……出待ち?」



崇文が、目をぱちくりさせる。


ほとんど若い女の子だ。


何人かが、俺達めがけて走り寄ってきた。



「ミオ、お帰り!」


「新生ワルエン、おめでとう!」



WORLDS END、略してワルエン……。


長いのはわかるが、何でもかんでも略すのって、どうなんだろう。



「ミオ、食べて!もうちょっと太りなよ!」


「ミオさん、これも!」


「あ、ありがとう……」



しまった。


女の子の群れに、深音が囲まれてしまった。


もう一方で、崇文が囲まれ、手紙や花を渡されている。



「すげぇなぁ……」



良かったな、深音。


見守っててくれた人、たくさんいたんだな。


まだ、こんなに愛されてる。


いや。


新しいファンもいるようだ。


あちらこちらから、「はじめまして」と聞こえる。



「あ、あの!」


「あぁ?」



……何だコレ!


知らない女の子に呼ばれ、気づいたら、俺と渚まで囲まれていた。


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