君と、世界の果てで
ガサリ、と、背後の植木が風も無いのに音を立てた。
思わず振り返ると。
暗闇の中に、帽子にサングラス、口にはマスクをした男が、立っていた。
驚きで、一瞬足がすくむ。
すると、男の右手で、何かが光るのが見えた。
しまった。
仲間は、まだ裏口付近にいる。
その光が小さく動くのが見え。
とっさに、横にいた女の子をかばって、抱きよせた。
「────キャアアアアア!!」
悲鳴が夜空に響く。
パシャッと、軽い水音がして。
何故か、彼女をかばった右腕が湿る感触がある事に気づく。
次に俺を襲ったのは。
「…………!!」
とてつもない熱さ。
そして。
激痛だった。