君と、世界の果てで


ガサリ、と、背後の植木が風も無いのに音を立てた。



思わず振り返ると。



暗闇の中に、帽子にサングラス、口にはマスクをした男が、立っていた。




驚きで、一瞬足がすくむ。



すると、男の右手で、何かが光るのが見えた。



しまった。



仲間は、まだ裏口付近にいる。




その光が小さく動くのが見え。



とっさに、横にいた女の子をかばって、抱きよせた。




「────キャアアアアア!!」




悲鳴が夜空に響く。




パシャッと、軽い水音がして。




何故か、彼女をかばった右腕が湿る感触がある事に気づく。




次に俺を襲ったのは。




「…………!!」





とてつもない熱さ。




そして。





激痛だった。



< 272 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop