君と、世界の果てで
あまりの激痛に、思わず地面に座ってしまうと、女の子も、その場にへたりこんだ。
悲鳴に気づいたメンバーが、走ってくる音がする。
「……っ、つぅっ……!!」
イヤなニオイがして、激痛がする自分の右腕を見ると。
コートが溶けて。
その下の皮膚がただれているのが見えた。
男はいつの間にか、いなくなっている。
汗が吹き出し、体験した事のない痛みに、目がかすむ。
「翼!!」
渚の声がした。
「触るな、崇文!!」
霞む目で声がした方を見ると、小さな瓶が転がっていた。
「崇文、水!あと救急車だ!!」
崇文はすぐに引き返していく。
すると、新しい足音がした。
「どうしたの!?」
深音だ。
深音が駆け寄る音だ。
激痛に霞む意識の中、それだけはやけにハッキリ聞こえた。