君と、世界の果てで
陸のせいだ。
考えたくない。
紗江が必要としてるのは、俺の後ろ盾だけなんて。
じゃあ、俺は?
本当に紗江が好きなのか?
わかんねぇ……。
ちくしょう。
全部、陸のせいだ。
まだ手元にあった陸のスマホを、ベッドの隅に投げてやった。
スマホは、動く紗江の足にぶつかり、床にコトリと落ちた。
『音楽で食っていきたいって、言ってたじゃねぇか』
うるせぇ。
もう、何も言うな。
頭をよぎる暗い思いを振り払うように、紗江との行為に集中した。
今までで一番、乱暴な交接だった。