君と、世界の果てで
『そんなん全然良いッスよ!!
すみません、俺が行ってあげたら、なんて言ったから……』
崇文は今にも泣きそうな声を出した。
「なんも、お前のせいじゃないから。
泣くんじゃねぇよ、うっとうしい」
『泣いてないし!!』
はは、と自然に笑いが出た。
こんな小さな、いつもと変わらないやりとりが嬉しかった。
『マジ許せねぇよ!
俺、あいつに直談判してやる!』
「智にか?やめとけ」
『なんで』
「証拠がない。
もし智が犯人なら、お前まで硫酸かけられるぞ」
『それは……嫌だ』
「だろ」
電話の向こうから、ちくしょう!と何かものに当たる声と音がした。
『あ、深音は……?
びっくりしたよ、あいつまで倒れるんだもん』
「それが、俺もよくわかんねぇんだ。
深音の家族は、大丈夫だって言ってた。
明日会うから、また連絡する。
渚にもそう伝えてくれ」
『ラジャーです。お大事に!』