君と、世界の果てで
「おかえり。一休みしたら?」
実家に帰ると、母親が出迎えてくれた。
昨日、俺の腕を見て、この人も倒れそうになっていた。
今はもう大丈夫そうだ。
「警察って、事務的で冷たいでしょ」
「仕事だからな。
いちいち熱くなれないだろ」
「大人ねぇ、翼は」
お茶を入れてくれるというので、リビングのソファに腰かけた。
「今日は寒いわねぇ」
母親はキッチンに入っていく。
今までテレビを見ていたのだろう。
リビングのそれは、つけっぱなしにされていた。
「音、でかくないか?」
「歳をとると、あんただってそうなるのよ。
あ、韓ドラ終わっちゃったのね」
「もう4時か」
テーブルに熱い緑茶が運ばれた。
そのまま向かいのソファに母親も座り、リモコンでテレビの音声を少し小さくした。
そのままチャンネルを変えると、母親があっと声をあげた。