君と、世界の果てで
「下着はちゃんと中に干してたのね。
あら……あの子、こんな可愛いブラ持ってたの?新品かしら」
「本当にすみません……今、お茶いれますから」
「あら、気を使わないでください。
私がしますから」
母親は深音の荷物をテキパキとまとめ、お土産に、と持ってきたケーキと紅茶が入った水筒を差し出された。
「ごめんなさいね、迷惑かけて」
テーブルにケーキやカップを並べる姿を見て、つい先日のエプロン姿の深音を思い出す。
「さぁ、お茶にしましょう。
堺沢さんは、こっちね」
深音の母親の前には苺クリームであろうピンクのモンブランが、俺の前には、普通のモンブランが置かれた。
俺が苺を嫌いな事まで話してるのか、あいつは。
「あの……深音は、大丈夫なんですか?」
紅茶に口をつけていた深音の母親の動きが、一瞬止まった。
「それなんですけど。
私から、詳しくお話しますね」