君と、世界の果てで
胸が、ドクンと鳴った。
「ごめんなさいね。
昨日の夕方に、貴方の姿をテレビで見て……
やはり、自分では言えないって、とじ込もってしまって……」
深音の母親は、悲しそうな顔で、うつむいた。
そして、決心したように、その美しい顔を上げた。
「あの子は、病気なんです。
産まれた時からの」
「え……?」
本人が来れない事で、あまり楽観はしていなかった。
だけど、そこまで悲観もしていなかった事に気づく。
自分の心臓の鼓動が、一気に早くなるのを感じた。
「病気って……何の……」
「……心臓病です。
あまり無理をすると、ちゃんと酸素や血液を送れなくなるんです。
ずっと薬を飲んで、症状を抑えていました」
そういえば、うちに来たときも、サプリメントと言っては、いつも大量の錠剤を飲んでいた。
俺の火傷も、深音のペットボトルの水で洗い流されたのだ。
あれは薬を飲む為に、常備していた物だったんだ。