君と、世界の果てで
「ママ、ママだけは許してね?
あたし、翼さんが好き。
翼さんがあたしを好きじゃなくてもいい。
デートがしたい。
手を繋ぎたい。
キスがしたい。
それ以上のことも。
普通の女の子として、好きな人とすごしたい。
たった1晩でもいいから。
それが叶えば……
死んだって、いいから……!」
「……深音……」
「明日、言う。
あの人は優しいから、きっとあたしの言いなりになってくれる。
……最低だよね。
でも、何があっても……ママだけは、あたしを許して。
何があっても、翼さんは責めないで」
そしてまた泣きだしてしまった深音の肩を抱くしか、私にはできませんでした。
幸い、誕生日に発作は起こらなかった。
その後も。
貴方に受け入れられた深音は、とても幸せそうでしたから。
私は、彼女の思う通りにさせてあげたいと思ったんです。
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