君と、世界の果てで


次の日……。



病院を出た途端、煙草に火をつけた。



深音の母親の告白を聞いてから、まだ1晩しか経ってない。


しかし、早く深音に連絡をとりたいと思う気持ちを、あの電話が遮った。




今日は火曜日。


俺の火傷を治療したのは、救急で当番だった外科の医師だった。


そのために、同じ総合病院の皮膚科を受診するように言われていたのだ。


なんの事はない。


救急の医師と同じ説明をされ、軟膏を塗り直されただけだった。



電話の相手との待ち合わせは、病院の正面入口だ。



「チッ……」



ここも、“敷地内禁煙”かよ。


携帯灰皿買った意味がねぇ。


しょうがないか。


健康に気を使うやつが来る所だもんな。


そういえば、昔母親に、体に悪いからやめろと散々言われたっけ。


そうか……


自分で寿命を縮めるようなもんだよな……。


こんなの公平じゃないな、深音。


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