君と、世界の果てで
左手で、深音の手を握った。
「だって……深刻なの、苦手なんだもん」
「だからって、死ぬ死ぬ言うな。
ネタじゃねぇんだから」
「……ごめんなさい……
ビックリしたよね……」
たしなめると、深音はシュンとうなだれてしまった。
「あたしも……最初はショックだったな。
今は……半分、受け入れちゃった。
ママやパパの方が、ショック受けたみたいでね。
パパなんか、奇跡を願うあまりに、悪徳業者に騙されて。
“食べると願いが叶うプリン”っていうのを、たっくさん買っちゃってね。
一月でぜーんぶ食べきって、結果メタボになっちゃった」
あの父親の、必死にプリンを食べる姿を想像してしまった。
いつもなら笑えてしまうのに、事情を知ってしまうとひどく悲しい。
こんなに早く手放すために、娘を育てたんじゃない。
どうか、助けてください。
神でも、悪魔でもいいから。